人材確保や最低賃金の引き上げへの対応などから、医療・福祉施設でも賃上げへの対応が課題となっています。
厚生労働省では、生産性向上や非正規雇用労働者の処遇改善などを通じた賃上げを支援するため、さまざまな助成金を設けています。
今回は、医療・福祉施設で活用を検討できる主な支援策をご案内します。
業務改善助成金
事業場内最低賃金を引き上げ、生産性向上につながる設備投資等を行った中小企業・小規模事業者に、その費用の一部を助成する制度です。設備投資等と賃上げをセットで行う場合に活用でき、助成額は賃金の引上げ額や対象となる労働者数などによって決まります。
- (※)助成対象となる賃金の引上げは、原則として交付申請後に行う必要があります。
- (※)【申請期限】「その地域の地域別最低賃金の発効日の前日」又は「2026年11月30日」のいずれか早い日
厚生労働省「業務改善助成金」
キャリアアップ助成金
非正規雇用労働者の処遇改善などに取り組む事業主を支援する制度です。
賃上げに関連するものとして、非正規雇用労働者の基本給の賃金規定等を3%以上増額改定する「賃金規定等改定コース」や、有期雇用労働者等を正社員化する「正社員化コース」などがあります。
- 賃金規定等改定コース
- 正社員化コース
厚生労働省「キャリアアップ助成金」
働き方改革推進支援助成金
生産性を高めながら、労働時間の縮減や年次有給休暇の取得促進、勤務間インターバルの導入などに取り組む中小企業を支援する制度です。
病院・診療所等については、「業種別課題対応コース」が設けられており、医師の労働時間削減や勤務間インターバル制度の導入などに活用できます。
- 業種別課題対応コース(病院等)
- 労働時間短縮・年休促進支援コース
- 勤務間インターバル導入コース
- (※)【申請期限】2026年11月30日
- (※)国の予算額に制約があるため、期限前に受付を締め切る場合があります。
厚生労働省「労働時間等の設定の改善」
介護テクノロジー導入支援事業
障害福祉分野の介護テクノロジー導入支援事業
介護・障害福祉分野では、介護ロボットやICT等のテクノロジー導入を支援する事業も実施されています。
これらは賃上げそのものを助成する制度ではありませんが、テクノロジーの活用による業務効率化や職員の負担軽減などを通じ、生産性向上や職場環境改善を図る際に活用を検討できます。
- (※)実施内容や申請期間等は、都道府県で異なります。
賃上げに活用できる支援策は、対象となる事業者や労働者、必要となる取組、申請時期などが制度によって異なります。
特に業務改善助成金は、申請前に賃金を引き上げると対象外となるため注意が必要です。また、申請期限は地域別最低賃金の発効日の前日または11月30日のいずれか早い日とされているため、すでに受付を終了している場合があります。活用を検討する場合は、まず事業場所在地の申請期限をご確認ください。
実際の運用や助成金申請は、社会保険労務士などの専門家にご相談いただくと安心です。
[参考]
厚生労働省「「賃上げ」支援助成金パッケージ」
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